2008-02-11から1日間の記事一覧

【+1】業火の記憶

いわゆる“見える”人の話であるが、ストーリー上どうしてもその設定がないと展開できない部分があるので、明記することは問題にはならないと言えるだろう。 構成としては“見える”人が日常の怪異を避けることで、さらにきつい怪異に遭遇するというなかなか面白…

【+2】ラリー

話も短いし怪異自体もさほど凄いものでもないが、作品全体の印象はよい。 「ぱさっ」という擬音をリフレインすることでテンポの良い雰囲気が出来ていると思うし、「ジグザグ」という言葉一つで怪異の全てを表してしまうところもなかなか心憎いところである。…

【−2】カーテン

精読するまでもなく、非常に粗雑で乱暴な書き方になっており、整合性の面では評価できない作品であると思う。 最後に登場する話者の解釈が全てを象徴しているが、とにかくマンションの前にある“表に出てこない墓地”が怪しいという思い込みから逆算して、怪異…

【+1】冬景色

従来の実話怪談のスタイルと比べるとかなりリリカルな装飾が強調されており、写実的な乾いた表現ではなく、ウエットで感傷的な雰囲気を醸し出すことに力点が置かれていると思う。 恐怖を叩き出すという観点からだけ見れば、このような作品は不向きであるとい…