2008-02-25から1日間の記事一覧
怪異現象に対して主観的な解釈を施すことは、あまり好ましくないこととされている。 しかしこの作品では、この主観的解釈があるからこそ、単なる目撃談から一歩抜きんでた内容になっているように感じる。 怪異の肝は風呂場に現れた祖母の霊であるが、その祖…
“あったること”を主観を極力交えることなく記述しようと試みる場合、その選択肢に入ってくるのが“箇条書き”スタイルである。 ある意味、箇条書きは究極の客観的文章スタイルという印象があり、怪異現象だけを抜き書きする目的であれば有効であると個人的には…
不条理であるが故に“投げっぱなし”にならざるを得なかったというべき作品だろう。 “カメラ目線!”は不条理怪談のセリフの中でも傑作の部類ではないかと思う。 とにかく説明してしきれるレベルの怪異ではないので、ひたすら“あったること”として書くしかない…
淡々とした筆致と的確な描写によってかなり珍しい怪異が描かれており、またこの文調が怪異の質と非常によく合っていると思う。 読み通して思ったのは、タイトルの付け方に一工夫欲しかったということ。 “説教”というタイトルで祖父の死から始まれば、ある意…
“金縛り”ネタの登場であるが、金縛り中に身体を押し込められるという怪異は初見である(厳密に言うと、自分の意志で目を開けたり閉じたりしているし、何ものかの力で両手両足を広げられたり縮められたりしているから、本当は“金縛り”とは言えないかもしれな…