2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『呪詛』

とにかく筆力はあるという印象。展開が非常に滑らかに感じるし、徐々に核心に移っていく流れはしっくりくるものがある。かなり書き慣れた書き手であると推測する。 しかし違和感を覚えるのは、タイトルにまで使われている「呪詛」という言葉を出してきた根拠…

『提灯』

小粒な怪異であるが、それなりに不思議な内容であるし、敢えて怪異に突撃してより一層深い追究をしなければ怪談として書くべきではないということもないわけで、これはこれで十分な怪異である。しかし表記や構成の面でしっくりとこない部分がいくつかあり、…

『母の日に』

怪異の内容としては、どこかで見たことがあるというレベル、また小粒という印象である。ただ適度な長さでスラッと読めるようにまとめられているので、怪談話としてはそこそこという評価である。登場人物の感情の流れを全く無視して“あったること”だけに圧縮…

『おせっかい』

怪談、特に“実話怪談”という作品を定義する場合、ある意味絶対的条件として考えてもよいのが「ありうべからざる怪異の存在」即ち「超常現象と客観的に呼べる内容」が含まれていることである。創作怪談では、最も広義の位置に“漠然とした不安”を基盤とした作…

『鋏』

内容と展開において既視感を覚えるほどの、典型的なパターンの怪異である。また、その怪異を見事なまでにステレオタイプの構成で書いている。文体もそつなくきちんとした印象であり、良くも悪くも普通というのが結論である。むしろ、その余りにもはまりすぎ…

『「五」から始まる』

怪異の希少性と連鎖の強烈さ、さらには因果関係の明瞭さを考え合わせると、相当なレベルの内容であると判断したい。どのような因果によって「五」という数字が選ばれたのかは判らないが、ただその数を忠実に守って展開される子供達の死の連鎖は、かなり大ネ…

『牛鶏鼠』

冒頭と末尾の部分を読むと、おそらく書き手は『学校の怪談』よろしく畜産高校で起きた怪異を列挙して、一つのまとまった怪異譚を組み上げようとしたと考える。しかし、表記の部分で舌足らずと思われる部分が多いため、非常に中途半端な内容になってしまって…

『足だけ』

怪異としては非常に小粒であり、友人の死と重ね合わせることで辛うじて他者に読ませるだけの内容になっているという印象である。仮に足の出現だけであれば、いくら微に入り細に入る表現であったとしても、一般に公開するレベルではなかったと思う。 かなり細…

今年はやる

ということで、昨年は結局不参加に終わった【超−1】であるが、1年間のお休み期間が効を奏したのか知らないが、今年はかなり入れ込んでいる。 久しぶりの講評なので、切れ味は落ちているかもしれないが、とにかく頑張ってみることにしたい。ひとまずご連絡…