2009-01-01から1年間の記事一覧

来年の予測

まずは去年の予測の結果… ◆怪談系はブレイクの予感→ 当たったと言ってもおかしくないだろう ◆UMAは侮れない→ 海外の情報は活発。だが国内は低調ということで不発 ◆予言・都市伝説は低調→ ある意味当たりだが、後述するように新たな展開が待ち受ける ◆「語…

買った本2009.10〜12

今年最後の購入記録となる。最近はコミック本も大量に刊行されるようになり、そこまで手が回らなくなってきている。文字中心(あるいは画像中心)の本ばかりしか経済的にも購入が難しくなっているという状況である。また多数の出版社からこの種の本が出てき…

「怪談をめぐる七つのQ&A」全力でこたえる(2)

怪談文芸ハンドブック (幽BOOKS)作者: 東雅夫出版社/メーカー: メディアファクトリー発売日: 2009/03/25メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 10回この商品を含むブログ (22件) を見る久々のエントリーということであるが、唐突に続きを… 【Q3】ホ…

買った本2009.9

ここ最近のニュースは、何と言っても“緑風荘全焼”に尽きる。 旅館の建物が全焼という事態に、多くの人が「座敷童子がいなくなったのでは?」という意見を出しておられる様子だが、個人的には以下の理由から“座敷童子はいまだ健在”という考えである。 まず、…

竹書房二連発

まだ山積みされている本もあるが、【超−1】関連ということで最新作を2つ。 『恐怖箱 赤蜻蛉』恐怖箱 赤蜻蛉 (竹書房文庫)作者: 鳥飼誠,怪聞亭,つきしろ眠出版社/メーカー: 竹書房発売日: 2009/08/28メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブ…

買った本2009.8

これで今年の“書き入れ時”はほぼ集結ということになるだろう。 あとは短評形式で書評をやりつつ、『怪談文芸ハンドブック』の[Q&A]に全力でこたえるエントリー記事も早めに挙げておきたいところである。 この[Q&A]も色々と考えれば考えるほど実に面白い…

二人著者本を三連発

前回に引き続き、短評連発ということで。 『妖幽戯画〜おどろ怪異譚』妖幽戯画 幽玄漫画怪異譚 (竹書房文庫)作者: うえやま洋介犬,西浦和也出版社/メーカー: 竹書房発売日: 2009/05/29メディア: 文庫 クリック: 7回この商品を含むブログ (3件) を見るうえや…

【超−1】関連四連発

評を書きたい本がうずたかく積もっているので、、通常よりも短い形で一気に紹介したい。 『恐怖箱 怪癒』恐怖箱 怪癒(かいゆ) (竹書房恐怖文庫)作者: 雨宮淳司出版社/メーカー: 竹書房発売日: 2009/02/27メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 10回この商品を含…

買った本2009.5〜7

気付いたら箱にいっぱいになっていた。購入時期順不同で一気にリストアップさせる。 『幽 11号』 『最強の都市伝説3』 『戦慄の心霊怨念動画』 『魔界と妖界の日本史』 『怪集 蟲』 『怪 vol.0027』 『ムーMAX vol.2』 『九十九怪談 第二夜』 『恐い地図…

久しぶりに書く

かなり長い間ブログを更新していなかったのだが、あるタイミングを待っていたためである。 もう決して筆を執るまいと誓っていた“創作”の封印を解いた。約20年ぶり。そして【ビーケーワン怪談大賞】に投稿した。 別に自分の活動の幅を広げようとか、これを…

『「超」怖い話 Ξ』

超 怖い話 Ξ クシー (竹書房文庫)作者: 松村進吉出版社/メーカー: 竹書房発売日: 2009/07/07メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (4件) を見る五代目編著者である松村進吉氏のお披露目の1冊である。ちょうど4年前、編著者の松村氏…

まとめ

まずは御礼から。 今年もベスト講評者に選出されました。 大会を運営されておられる主催者さまをはじめ、参加者各位に感謝いたします。 投稿された作品があって初めて成立するのが講評ということで、とりわけランカーの皆様には厚く厚く御礼申し上げる次第で…

「怪談をめぐる七つのQ&A」全力でこたえる(1)

東雅夫氏の『怪談文芸ハンドブック』を評した際に、専ら怪談を読み書きする者は第一部のQ&Aについてそれぞれの意見を立てることが肝要だという旨のことを書き、自分もそれを出してみたいと述べた。 ということで、私の怪談観というものを書いてみようと思…

著者別短評の六

短評の1回目で“今大会をつまらなくさせた元凶は、講評陣のグダグダぶり”と指弾したわけだが、さらにその元凶を突き詰めると【拝点主義】という概念に行き当たると思っている。“誰よりも1点でも多く獲得して評価を受けたい”という気持ちがいつしか、本来の…

著者別短評の五

No.23 各月末に3作の投稿。この書き手も猛烈な饒舌体である。しかもこのタイプによくある、饒舌だが肝心の部分はスッポリと落ちてしまっているという構成になっている。いずれの作品も体験者の語りの部分をもっと減らす、あるいはゴチャゴチャした展開…

著者別短評の四

今回も愚痴なしでひたすら短評を…No.15 1作のみの投稿のため、特に語ることなし。No.16 2作のみの投稿のため、特に語ることなし。No.17 2月末から3月末にかけて32作の投稿。同定で並べられた作品群を見て、思わず「因果の鬼だ…」と絶句…

著者別短評の三

著者推奨の締め切りが迫っているので、今回はお小言はパスということで、全力で短評を書くことに。No.9 2月前半に過半数を、あとは満遍なく17作を投稿。重量級の作品に一日の長があるという印象である。問題があったが『鳥居の倒れていた土地』は今大…

著者別短評の二

今回も短評の前に色々と… 今回の同定では、講評に関する情報が以前よりも詳細に提示されており、これを見れば少々鈍い人間でも誰が何という名前で講評をおこなったのか、またその名前から過去のランカー名が浮かび上がってくるという状態になっている。また…

著者別短評の一

今年も短評で済ませていただくことに。 その前に、今回の同定結果を見ての感想をいくつか… まず、今大会は得るものが非常に少なかったという印象である。私自身結局【+5】を一度も出さなかったし、高評価の基準である【+3】以上の評価も例年の半分以下と…

『怪談文芸ハンドブック』

怪談文芸ハンドブック (幽BOOKS)作者: 東雅夫出版社/メーカー: メディアファクトリー発売日: 2009/03/25メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 10回この商品を含むブログ (22件) を見る概説書としては極めて有能な著書である。元々“怪談”というジャン…

買った本2009.4

『怪 vol.0026』 『「極」怖い話 罠』◎ 『日本の仏教の事典』 『「超」怖い話 怪逅』◎ 『恐怖箱 怪癒』◎ 『アトランティア 発動篇』 実は『怪癒』は3月には手に入れていたのだったが、前回のエントリー時に書き漏らしていた次第。 とりあえず【超−1】講評…

【0】ろてあ

謎の男、叫び続ける子供、壁から生えたあやかし、投身自殺の女…これだけの素材がありながら、結局どれもがアクセントになりきれず、ただ雑然と並べられた感が強い。 もとより“不条理怪談”の様相を明瞭にしている怪異であるので、それぞれの怪異が密接に関連…

【−1】鈴の音

一昔前の投稿怪談のノリで書かれているという印象である。 ある意味非常に怖い体験なのであるが、あやかしの描写が平板で、なおかつ体験者の恐怖感が紋切り型であるために、怪異が本来持っているだろう迫力が感じられなかった(“ですます調”を改めるだけでも…

【−2】訪れるもの 二題

それぞれ単独で読んでもパッとしないものを重ね合わせたのだが、結局重ね合わせた目的がはっきりすることもなく、パッとしないものを重ねてもパッとしないという見本になってしまった感がある。 同じ体験者という部分では共通項があるのだが、訪れたあやかし…

【−3】緑の人影

一応怪異は書かれているが、これでは「○○を目撃しました」だけの報告に終わってしまっている。 さすがにこのレベルの話では、小学生向けの“こわいお話し”でもどこまで通用するかはなはだ心もとない。 とにかく目撃したあやかしの様子をもっとたくさん描写し…

【−1】夫の死から

雪崩れ込むように体験者の身の回りに怪異が起こっているわけだが、それらがほとんど整理されないまま書き綴られているために、非常に読みづらい。 はっきり言うと、怪談作品としてはまだ未成立の段階だと思う。 特にまずいのが地鎮祭の後の出来事であり、脅…

【−3】落ち武者

単純な怪異目撃談であるが、“怪談”を書く上でやってはいけない致命的なミスを犯しまくっている。 タイトルに目撃したあやかしそのものを出してしまっている。 これでは落ち武者の生首というインパクトのあるものが登場したとしても、何の驚きも感じることが…

【−1】集会

不思議なものを見ただけの目撃談だが、実に回りくどい書き方をしており、しかもそのまどろっこしい講釈の間に読者はその正体に気付いてしまっている始末である。 結局勿体ぶった書き方をしているが、単純に言えば“猫の顔をした人間体が公園にたむろしていた”…

【0】墓地にて

書き手本人の体験ではあるが、本人の記憶が定かではない部分が多いので、母親目線の体験談として書き上げた方がより信憑性を持って受け入れられたのではないだろうか。 子供が墓地で見た霊体から供養されなかった親族の存在を知ることになるパターンは結構あ…

【0】原爆資料館

典型的な異界譚であるが、歴史的建造物ではなく資料館で起こっているためにお決まりのパターンになっていないところが非常に希少である。 ベルサイユ宮殿やロンドン塔でも時空を超えた異世界に迷い込んだというケースが報告されているが、その場合はある特定…