2009-04-30から1日間の記事一覧

【0】ろてあ

謎の男、叫び続ける子供、壁から生えたあやかし、投身自殺の女…これだけの素材がありながら、結局どれもがアクセントになりきれず、ただ雑然と並べられた感が強い。 もとより“不条理怪談”の様相を明瞭にしている怪異であるので、それぞれの怪異が密接に関連…

【−1】鈴の音

一昔前の投稿怪談のノリで書かれているという印象である。 ある意味非常に怖い体験なのであるが、あやかしの描写が平板で、なおかつ体験者の恐怖感が紋切り型であるために、怪異が本来持っているだろう迫力が感じられなかった(“ですます調”を改めるだけでも…

【−2】訪れるもの 二題

それぞれ単独で読んでもパッとしないものを重ね合わせたのだが、結局重ね合わせた目的がはっきりすることもなく、パッとしないものを重ねてもパッとしないという見本になってしまった感がある。 同じ体験者という部分では共通項があるのだが、訪れたあやかし…

【−3】緑の人影

一応怪異は書かれているが、これでは「○○を目撃しました」だけの報告に終わってしまっている。 さすがにこのレベルの話では、小学生向けの“こわいお話し”でもどこまで通用するかはなはだ心もとない。 とにかく目撃したあやかしの様子をもっとたくさん描写し…

【−1】夫の死から

雪崩れ込むように体験者の身の回りに怪異が起こっているわけだが、それらがほとんど整理されないまま書き綴られているために、非常に読みづらい。 はっきり言うと、怪談作品としてはまだ未成立の段階だと思う。 特にまずいのが地鎮祭の後の出来事であり、脅…