2009-04-29から1日間の記事一覧

【−3】落ち武者

単純な怪異目撃談であるが、“怪談”を書く上でやってはいけない致命的なミスを犯しまくっている。 タイトルに目撃したあやかしそのものを出してしまっている。 これでは落ち武者の生首というインパクトのあるものが登場したとしても、何の驚きも感じることが…

【−1】集会

不思議なものを見ただけの目撃談だが、実に回りくどい書き方をしており、しかもそのまどろっこしい講釈の間に読者はその正体に気付いてしまっている始末である。 結局勿体ぶった書き方をしているが、単純に言えば“猫の顔をした人間体が公園にたむろしていた”…

【0】墓地にて

書き手本人の体験ではあるが、本人の記憶が定かではない部分が多いので、母親目線の体験談として書き上げた方がより信憑性を持って受け入れられたのではないだろうか。 子供が墓地で見た霊体から供養されなかった親族の存在を知ることになるパターンは結構あ…

【0】原爆資料館

典型的な異界譚であるが、歴史的建造物ではなく資料館で起こっているためにお決まりのパターンになっていないところが非常に希少である。 ベルサイユ宮殿やロンドン塔でも時空を超えた異世界に迷い込んだというケースが報告されているが、その場合はある特定…

【−3】お化け屋敷にて

これは事実だから致し方ないのであるが、怪異の肝とばかり思っていた家屋の揺れが実は“地震”だったというくだりで完全に腰砕け状態となってしまった。 結局それを上回るだけの怪異が出てこないために、一体何のための怪異報告であるか、書き手の公開意図が知…

【0】逢魔が刻

情景部分の描写などはそれなりに妖しい雰囲気を作り出すことに成功していると言えるのだが、肝心のあやかしの容姿についての記述が非常にぞんざいなものになっている。 座っている様子は何か凝った表記をしているが(ただしイメージ出来る姿は、ヤンキーの兄…

【−1】父の気配

冒頭から起こる怪異の雰囲気とタイトルとの間に大きな意識の隔たりが生じたために、最初からエピソードの展開に付いていけなかった。 妖しい気配に対する母親の対応を見ると、どうしてもその気配の正体が邪悪で禍々しい存在であるかのような印象を持ってしま…

【+3】出席番号十一番

日常の間隙を縫って非日常である怪異が入り込んでくるとするならば、この作品における怪異はまさにその典型であると言えるだろう。 どこからが日常の世界で、どこからが非日常の異界なのかが全くわからないまま事態が展開する流れは、非常に読み応えのある作…

【0】廃墟

書き手が非常に意識していたのは、廃墟内の怪異ではなく、むしろ一緒に入った女の子の存在だったのだと推測する。 実はその女の子と遊びだした段階で既に怪異の世界に一歩踏み込んでいるのであり、彼女の存在なしには廃墟探訪もなかったし、その中で様々な怪…

[超−1]【+2】校庭

作品としては隙だらけ、冒頭部分からかなり脱力させるような間の抜けたエピソードであり、ある意味構成としては自滅していると言ってもおかしくないレベルの内容である。 この作品に関する重大な“発見”をするまでは、間違いなくマイナス評価以外はあり得ない…

【−3】停電

収拾がつかないという以上に、雑然と怪異を並べ立てただけというお粗末な怪異譚となってしまっている。 しかもそのバラバラな怪異を繋いでいるのが、体験者のピント外れな講釈や余計な補足的説明だから、さらにうんざりとした印象しか残らない。 結局、体験…