2013-02-28から1日間の記事一覧

『呪詛』

とにかく筆力はあるという印象。展開が非常に滑らかに感じるし、徐々に核心に移っていく流れはしっくりくるものがある。かなり書き慣れた書き手であると推測する。 しかし違和感を覚えるのは、タイトルにまで使われている「呪詛」という言葉を出してきた根拠…

『提灯』

小粒な怪異であるが、それなりに不思議な内容であるし、敢えて怪異に突撃してより一層深い追究をしなければ怪談として書くべきではないということもないわけで、これはこれで十分な怪異である。しかし表記や構成の面でしっくりとこない部分がいくつかあり、…

『母の日に』

怪異の内容としては、どこかで見たことがあるというレベル、また小粒という印象である。ただ適度な長さでスラッと読めるようにまとめられているので、怪談話としてはそこそこという評価である。登場人物の感情の流れを全く無視して“あったること”だけに圧縮…