2009-04-02から1日間の記事一覧

【0】ばちあたり

どこから見ても一分の隙もない“教訓怪談”である。 怪異の内容から構成・展開に至るまで、都市伝説ならぬ伝承民話の世界にまで遡れるほどのベタベタの作品であると言える。 ここまで一直線にストーリーが予定調和的に進むと、ある意味清々しさすら感じてしま…

【+1】プライド

あやかしによってカツラが取れてしまったというハプニングが怪異の中心である限り、何をどうやっても笑いの路線を選択するしか手段がないように思われる。 いくらおどろおどろしい書き方をしても、この衝撃にだけは勝てそうもない。 書き手からすれば、着地…

【+1】猫が見ているもの

周囲の異変によって我が身に起こった怪異に気付くというパターンの作品であり、そのあたりの展開はなかなか興味深いものを感じる。 気付きのきっかけとなった猫の動作についての描写はかなり細部にわたり、臨場感あふれる形で再現されていると言っていいだろ…

【+2】靄の中

正直言って、怪異については平凡でありきたりな定番の内容であると言われても仕方がないレベルである。 おそらく怪異だけ取ってみれば、マイナス評価となってもおかしくないところである。 しかしそれを補って余りあるのは、描写力を中心とした文章技量であ…

【+1】道連れ

取材時の状況を入れ子の枠として展開させる手法は斬新であり、なかなか面白い趣向であると思った。 特にエピローグにある展望台の話は、普通の書き方よりも遥かに薄気味悪さが際立つ印象である。 入れ子の中味の回想部分であるが、人物に関する描写は言動や…

【−1】追っかけ

昔の講評に書いたことがあるが、そこそこのスピードで走っている乗り物をある一点から目撃するケースでは、どうしても時間的な限度があり、それに見合った目撃内容でないと違和感が出てきてしまう。 例えば、高速道路を運転中に、ガードレール脇に立っている…

【+2】居心地良いんれ。

あやかしの目撃談としては希少な内容であるだろう。 ビジュアル的にあやかしのイメージが“釣瓶落とし”を彷彿とさせるものであり、その点でも何となくのどかな目撃談のような印象を受ける。 ただ目撃談の核心部分にあたる描写について言うと、あまりにも精緻…

【+3】美味

自殺者の霊との会話だけであれば大した怪異ではないのだが、その後にその霊体が引き起こしたと思しき蟹の怪異が続くため、なかなか強烈な内容になっていると思う。 しかも適当なグロ描写もインパクトとしては効果的であっただろう。 そして何と言っても、最…

【0】真夜中のいたずら

昼間の様子が賑々しい場所ほど、真夜中の光景は恐ろしいものに変貌する。 そのような場所で起こった怪異であるが、定番であると同時に、怪異の肝のポイントが絞りきれずに散漫な印象が強く残った。 怪異が連続的・継続的であればあるほど、そのボリュームが…

買った本2008.12〜2009.3

備忘録として、購入した怪奇本の一覧を定期的に残しておくことにした(少しばかり書評ブログらしくなった感がする)。 『廃墟巡霊』 『幽 10号』 『恐い動画』 『禁談』 『週刊大衆 奇談』 『新着! UMA&UFO画像300』 『恐怖の都市伝説』 『「超…