主人敬白

このたび怪談の神の命ずるままに
【怪奇本専門書評】を再開することと相成りました
運営者の<DPT>です。


元・逸匠冥帝の書評部門の一翼を担っておりましたが、
本体がネットから完全撤退するためグループ解散、
独立して書評ブログを展開することになります。


HNはもちろんあの【超−1】講評の際に使っていたものが由来。
実際、あのブログを立ち上げたのも、中で講評していたのも
ほとんど僕一人の仕事だったのですが、
調子に乗って本体の名前を出してしまったために
彼が巻き込まれていたトラブルの余波を受けて
とりあえず閉鎖となってしまいました。


僕としては、ようやく己の意見を発信する面白味に気付いたところ。
そして「怪奇本の社会的地位向上」を提唱する者として
盛り上がる機運の中で、彼のように自由な発言を封じ込められたままでいたくない。
このままフェイドアウトすることは、彼のトラブルの原因に対して
(極論すれば「こんな低俗な趣味を公開するな」という圧力が私生活面であった訳)
僕自身も屈してしまう様な気にさせられたのです。
そこで彼の志を継ぎ、新刊の怪奇本をネット上で書評三昧する道を選ぶこととしました。
元々彼とは“怪奇本マニア”同好の士として20年近い付き合いがあり、
お互い情報交換をしながら切磋琢磨してきた仲です。
むしろ彼を実話怪談の世界に誘い込んだのは僕なので、
「ヘタを打つ訳にはいかん」という気負いを今は強く感じています。


二人だけで長年怪奇本の論評を口角泡飛ばして語り合ってきたために
怪奇本の内容に関する認識は一卵性双生児並みに似通っております。
しかしながら、地位向上のための方策については彼とは異なります。
彼は“外部への普及”を主張しますが、僕は“内部の成熟”が先決です。
「身内である愛読者がダメ出しばかりしていて、外部の人間が興味を持つはずがない」
というのが彼の持論であり、問題点に目をつぶっても美点を挙げて評していました。
しかし、怪奇本の認知度を求めるあまり身内に甘い評を与えることを僕はしないつもりです。
怪奇本マニアを納得させる作品だけが、外部の評価に耐えうる。
駄作であれば駄作であると評することが、最終的な信用へ繋がると思うのです。
だから、たとえそれが知己の作品であろうと、老舗シリーズ作品であろうと、
納得のいかない内容には声を上げることになるでしょう。
絶対的な評価にはなり得ないのは当然ですが、一個人でぶれない評を提示し続けることで
怪奇本マニア自身による自然淘汰的進化がなされることを願ってやみません。


◆著者及び版元の皆様方へ
このブログで展開される評は、少々年季の入った一読者による、あくまで個人的なものです。
誹謗中傷を書くつもりもありませんが、内容のない作品については苦言を呈するつもりです。
自腹を切って購入した書籍が一読に値するものであるか、その評があくまで一番の目的です。
時には“キラーパス”を出す場合もありますが、受けられないからといって怒らないでください。
粗末な内容を連発すれば淘汰、ジャンル全体が衰退していく危機感を持ってください。
素人の一個人の評に噛み付く暇があれば、次作のために体力温存してください。
有名無名にかかわらず良作は推しますし、僕たちもそういう作品の登場を待っています。
甚だ微力ですがこのような趣旨で運営して参りますので、御了解下さい。
(著者・出版社によるレビュー依頼は基本的にお受けいたしません。悪しからず)


◆読者の皆様方へ
本ブログで公開する評は、それなりの知見で書かれますが、絶対的なものではありません。
一人の読者としての感想・意見も出し、極私的な視点にこだわる場合も多々あります。
内容に関して決して嘘は書きませんので信じていただいても結構ですが、
その書籍に対する最終評価・判断は、それぞれの読者に委ねられると思ってください。
僕自身も自評の絶対化を志向しませんし、そのように見られることも好みません。
それよりも「こういう見方があっても良いのでは」や「私はこういう評である」という
建設的且つ多角的な視点での意見をいただき、より良いものが生まれることを望んでいます。
また僕の評が評されることについても吝かではありません。
上に書いた“内部の成熟”の鍵を握るのは著者ではなく、読者です。
薄っぺらい内容で欺かれない見識をマニアが持つことが至上命題であると感じています。
傲岸な理念を掲げての運営ではありますが、賛同・理解していただければ幸いです。


では、怪談の神に召された者の一人として粛々と書評を展開して参ります。


PS.
このブログは、本体である逸匠冥帝の意思とは全く関係なく運営されます。
ここで書かれた内容について彼個人宛に抗議などをおこなっても対処できません。
ちなみに三人目の逸匠冥帝(冥所紹介担当)は現在修行中。
彼もいずれ一本立ちして、“DNA”を継承する予定(未定?)です。
(ただし「心霊スポットと心霊写真とオフ会をやるなら継承なし」らしいですが)