【−１】へんなおじさん

小ネタとしてはまとまっているとは思うものの、やはり目撃談としてはやや具体性を欠く内容になっているという印象である。
特にあやかしであるものをはっきりと見ているはずなので、その部分のディテールがもう少しないと、リアルなイメージというものを提示できていないと言われても致し方ないだろう。
例えばこの作品で言えば、あやかしの上背や顔などの表情や容姿、体験者との距離など、かなりの情報が抜けていると言える。
中には足の部分のようにはっきりと「覚えていない」とするものもあってもおかしくないが、それにしてもディテールがあまりにも少ないという印象である。
またこの怪異が都市伝説などでも流布しているパターンでもあるので、余計にこの体験でしか得られない特殊な部分が欲しいと感じた。
よくあるパターンの怪異でしかもディテールが少ないとなると、どうしても信憑性の部分での疑いが生じてしまうことになる。
よってマイナス評価もやむなしというところで、この点数とさせていただいた。