『恐怖箱 探冥』第2巻・第3巻


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竹の子書房で月1のペースで刊行され続けている作品であるが、1巻につき2箇所の心霊スポットを紹介しつつ、心霊スポットの本質について色々と語ってみようという試みをおこなっている。第1巻の冒頭、ホワイトハウスのエピソードで“心霊スポットとは「人の造りしもの」”ということを書いているが、敢えて注釈すると、心霊とは全く関係なく噂によって作られた、肝試しなどで利用された挙げ句に心霊スポットとして喧伝されて作られた、かつての人の営みの中でその地が死にまつわる場所として作られた…など、とにかく人の存在あってこそのスポットであると思っている。ただ各スポットによってプロセスは千差万別であり、その地が“忌み地”となったいきさつを探る中で、様々なものが見えてくればいいのではと考える。
ただこういう講釈を場外で述べるのはあまり良いことではなく、やはり野に放った作品であれば、その作品そのものが読み手の声を受けて立たねばならぬだろう。作品を切り刻んでみせた側だからといって、この洗礼を免れる術はないし、逃げまどって恥を晒す方がよほど惨めである。冗談抜きで書いた内容であるからこそ、甘んじて批判も受けるし、それを潔しとして堂々と構えていたいと思う。
第1巻は書評形式で紹介してみたが、やはり自分の理想とする思想とは隔たりがあった。ということで、今回は評ではなく、本作に敢えて載せなかった“情報”を楽屋落ちの如く披露してみようと思う。もしかすると、本作より興味深いエピソードもあるかもしれないが、やはり故あって外したものである。まあ軽いこぼれ話ということで読んでいただければ良いかと(ただし本作をまだ読まれていない方もあるので、反転させない限り見えないようにしておきたい)。

■道了堂跡
道了堂跡が「絹の道」の終点であるならば、その起点にあるのが“絹の道資料館”である。この資料館は“八木要右衛門の屋敷跡”に建てられたものと公式に言われている。実はこの屋敷跡で殺人事件が発生している。殺されたのは要右衛門自身、そして犯人は要右衛門の息子である。放蕩三昧の息子が要右衛門に金を無心をしたが断られたために、鑓で突き殺したというのである(この殺人事件については、公式には“強盗によって殺害された”ことになっているが、真相は親子間での事件であると地元では言われている)。つまり「絹の道」は起点から終点まで、ある意味、陰惨な事件で血塗られた土地であると言えるのかもしれない。

■天心白菊の塔
こういう大惨事の場合、必ずと言っていいほど「直前でキャンセルして九死に一生を得た」という人が出現する。この事故でもそういう人が出てきたわけだが、それが故・池田貴族氏だから、ちょっとオカルティックな話になってくる。結論から言うと、強硬に行かないように主張したのは池田氏の母親。この母親は池田氏の肝臓癌を初期の段階で言い当てたり、直感的な察知に長けており、当日の段階で「行ってはいけない」というような発言で、最終的にツアー参加を取りやめているという。ただし実際に乗るべきバスが事故車であったかどうかはあまり明確にされておらず(事故に巻き込まれたのは15台中の2台という確率)、飛行機事故のような断定的な話にはなっていない。ただこういうエピソードを聞くと、何かしら運命的なものを必然的に感じてしまう。

本当はまだ色んなエピソードがあるのだが、とりあえず強烈なインパクトのものだけにしておいた。これからまだ続くシリーズであるが、これからも心霊スポットの何たるかを語り続けていこうと思う。