2008-02-13から1日間の記事一覧

【+1】タオル

この作品の問題点は、最後の部分で友人の顔を見て恐怖を覚えるということを書いてしまったことにある。 この二重の驚愕という構えにしてしまったために、それだけで十分な怪異として成立しているタオルの怪を非常に微小なものにしてしまった。 というよりも…

【+2】ムカツク

怪異としては“テープに入る声”ということでそれほど珍しい内容ではないが、人をあざけるような笑い声というのは面白い。 またこの怪異に対する体験者の反応がまた面白く、それに見合った文体で書かれているので、好感が持てた。 体験者の冒頭の語りを読むと…

【−2】夢に非ず

いわゆる“投げっぱなし怪談”であり、怪異そのものも非常に興味あることは確かなのであるが、“単独の作品”として講評することになってくると評価は大幅に下がってしまう。 純粋に怪異にだけを取り上げれば、希少性は相当高いと思うし、実際に家中の時計が逆回…

【0】タクシー

“見えない”人が“見える”人の行動を見て怪異を知るという典型的な作品である。 このタイプの作品の場合、一番のポイントは“見える”人の怪異に対するリアクションが突拍子もないほどインパクトが強いかどうかである。 この観点から見ると、病院の前でいきなり…