2010-02-24から1日間の記事一覧

【+1】墨壷

古物の怪、しかも墨壷という非常に専門的であり、また特殊なフォルムを持つ器物にまつわる怪異ということで、もうそれだけで十分堪能させてもらえる怪談話であった。 墨壷は、重要な大工道具の一つとして、職人が現役である間はまず手放すことがない一品であ…

【0】私、悪くない。

“一発芸”的な小ネタとしては、それなりに展開がしっかりとしていて、何が起こったのかという事実についてはよく分かる内容であったと思う。 だが、どうして起こったのかという部分について考え出すと、非常に曖昧なところがかなりあるということにも気付かさ…

【−1】鬼婆

最後まで読んで把握できたことは、体験者は友人と一緒にいる時にこの鬼婆のような霊体と何度か遭遇しているのだが、それが記憶の淵に沈んでいたのを同窓会の場で友人の話で一気に思い出した、という展開を書き手がしたかったのだろうという推測である。 つま…

【+1】忌地

何か決定的な超常現象が起こっているわけでもないのだが、全体を通して繰り広げられる異常なシチュエーションは、まさに禍々しいの一言に尽きる。 敢えて怪異と呼ぶものがあるならば、うずたかく置かれた猫の頭蓋骨の存在だけなのだが、その異常な猫の遺品に…