【+4】石柱

いわゆる“罰当たり”怪談の一種であるが、やらかしたこと自体が軽微だったせいもあって、何となくのどかな雰囲気も漂わせる好編であると思った。
全体的に過不足ない表記で、ストーリー全体が流れるように読みやすかったのが、この作品の一番のポイントであるだろう。
下手をすると祟りの一種のように重苦しい雰囲気になりそうな内容なのであるが、むしろあっさりと事実関係だけを書き記していく手法で、良い意味での軽さを維持できていると言える。
血尿が出てから学校にたどり着くまでの表記は一見手抜きのように見えたが、最後の確証のための伏線だったとわかると、逆に上手く処理していると感心した。
その確証であるおばさんと駐在の会話であるが、これは怪異の内容にとっても非常に重要なものであり、同時にこの作品の持つ雰囲気を決定づけるものにもなっている。
この何となく間延びしたようなおとぼけぶりが、この作品の特長でもあり、魅力でもある。
怪異自体についても非常に珍しい“天罰”であり、その点でも評価は高い。
独特の世界を生み出している、得難い内容の作品と印象である。