【0】紛失

怪異であることを伝えようと一生懸命になって書いていることは理解できるし、出来るだけコンパクトにまとめようとしているようにも見えるのであるが、如何せん、文章がもたつきすぎている印象が強い。
特に一文で一つの説明だけで終わってしまい、他の書き手であれば一文で済ますことのできる複数情報をいくつもの文で書き込んでしまっているために、非常に回りくどい印象を受ける。
だから情報は必要最小限なのだが、言葉数がそれと比べて多いという感じであり、何かダラダラと書き綴っているように見えるのだろう。
書き方次第ではもっと手短な文章になると思うし、そのようなスタイルにすればするほど怪異のレベルにあった長さになっていたと思う。
ネタについては、よくあるパターンの部類に入るものであるだろうし、陳腐な怪異目撃談というところになるだろう。
投げつけたボールペンが別の場所から見つかるというところが珍しい現象であり、その部分を肝とした点はそれなりに評価できると思う。
文章的な問題はあるものの減点の対象となるレベルではないと判断したので、可もなく不可もなくというところである。
ただしまだまだ文章力を上げないと、それなりのレベルのネタでは致命傷になりかねないので、修練を要することは言うまでもない。