【0】ゴミ置き場

あやかしであるゴミ袋に関する情報がかなり削られているという印象であるが、いわゆる“投げっぱなし”怪談にするためにはやむを得ない処置であると感じた(ただし、この削り方でちょうど良いという意味ではないし、やはりイメージするために必要な情報が欠けていることは間違いない)。
また“反対側の壁”という表記については、おそらくポリ袋が体験者の横を素通りして、そのまま進行方向の壁に突き当たって消えていったことを意味しているのだろうと推察するし、この言葉だけでも状況判断はギリギリ可能であると思うので、特に強く違和感を感じなかった。
やはりこの作品の一番意外だったのは、ポリ袋そのものもあやかしの一部であったというところ。
これがしっかりと記述されているので、怪異は成立するものと言えるだろう。
ただし、ネタとしては小粒の感は否めず、可もなく不可もないというところで落ち着くだろう。
何となくありきたりの感もあるが、やはり他の怪異と少し違うディテールを強調することは大切であるし、それがあればマイナス評価を食らう心配はないと言えるだろう。