2007-02-25から1日間の記事一覧

【−1】ちどり足すくみ足

怪談話の信憑性を増すパーツとして、また怪異のリアリティを維持する表現として、ディテールは欠かせない存在である。 それ故、きっちりディテールが書かれている作品は評価を高くし、その部分で言葉が濁されている作品は眉に唾を付けて読みにかかるようにし…

【0】石油ストーブの灯火

やたら装飾的な技法が多いのだが、まだそれらを使いこなすまでに至っておらず、読者を惑わせるだけの効果しかなかったようである。 一番に引っかかったのは、2段落目の冒頭部分である。 唐突に「正月の時」の話と書かれても、最初に「居間でストーブの近く…

【0】回るんですぅっ!

本題よりも前置きの方が迫力があって、しかも強烈なインパクトを残してしまった。 本題の方は、タイトルの付け方や、登場人物の少々強引なキャラクター作りなどから、コミカルな雰囲気を出したかったように思うのだが、前置きの生理的嫌悪感を伴う表記によっ…

【+3】海神祭

地元の風習や祭にまつわる怪異は、不気味でありながら何か美しさを感じさせる。 特にこういう負の存在を祀り、それが連綿と受け継がれている風習には、何やら秘密めきながら暗黙の了解によって守られているという微妙なバランス感覚を覚えてしまう。 この作…