2007-04-27から1日間の記事一覧

【+2】白黒

臨死体験の話であるが、かなり特異な後日談によって希少性を上げている。 後日談がなければ、変な格好であるが、この二人の男の正体は“死に神”と呼ばれるお使いの者と断じられるところであっただろう。 ところが、彼らが自動車のシートに座っているところを…

【−1】音無

不思議な話であるが、突如として日常の世界が異界とすり替わってしまったという話は類例が多い。 この話も犬という特別な存在があるが、よくあるパターンであると言ってもいいだろう。 こういう異界ネタの場合、やはり描写力が一番ものを言う。 この作品では…

【+1】婚礼

業界ネタというのは、体験者自身にとっては日常であるが、一般人にとっては初見・初耳ということが往々にしてある。 それ故、怪異と直接関係のないエピソードをどこまで挿入するかが、かなり思案のしどころになる。 当たり前のごとくサラリと書いてしまった…

【0】先に入ってます

怪異が小粒というよりも、怪異として成立するかの際どい内容である。 風呂の蓋が少し開いていたのが気がつくと閉められていたという物理現象(これも体験者の錯覚と言ってしまえば終わってしまいそうなほど些細なもの)がなければ、体験者の恐怖感も含めて全…

【+3】入り江

強烈なネタであり、そのネタを十分表現できるだけの筆力があるので、引きずり込まれるように読むことができた。 普通、「出る」と言われる場所へ肝試しで行ってもなかなか怪異に遭遇することもないし、ほとんどが空振りに終わってしまう。 それを思うと、こ…