【+2】白黒

臨死体験の話であるが、かなり特異な後日談によって希少性を上げている。
後日談がなければ、変な格好であるが、この二人の男の正体は“死に神”と呼ばれるお使いの者と断じられるところであっただろう。
ところが、彼らが自動車のシートに座っているところを目撃されるに至る後日談で、かなり印象が変わってしまった。
結局彼らの正体の見当がつかなくなったところで、この作品は一気に面白味を増したと思う。
前半部分は少々くどいぐらいの臨死体験の王道パターンでありつまらないという印象が強かったのだが、二人の男の登場によって期待が少なかった分だけ後半は読み応えがあった。
書きぶりも特に巧みということもないように感じるが、丁寧に書くことに心掛けていたのではないだろうか。
まずまずの内容であるが、インパクトの点で何か物足りなさを感じたので(これは書き方の問題も含む)、積極的な好評価までは至らず。