2009-02-25から1日間の記事一覧

【+3】繁治さんのトマト

書き手が怪談の本質を知っていればこそ、小粒な怪異を光り輝く“怪談”として組み上げることが出来た佳作であると言える。 お盆(しかも新盆である)に自宅に戻ることなく畑をうろつく他家の子供の霊に対して怒鳴りつけた体験者の態度は、他家の迷っている霊が…

【+1】纏うモノ

見えるがなにも出来ない人、見えないが集めてしまう人、そして見えないが弾いてしまう人という、微妙に三すくみ状態に近いバランスが絶妙な作品である。 実際は妻の妹が弾くことが出来るのか明確ではないのだが、敢えてそれを示唆する内容を書くことによって…

【+2】鍋いっぱいあったのに

体験者の“あったること”を丁寧に書いているので、それなりに読ませる内容の作品であったと思う。 特に希少なのは、瞬間移動(おそらくは時間的な経過の欠落)をしたと体験者が思ってしまった現象である。 残念ながら時間的な経過が書かれていないために本当…