2010-04-22から1日間の記事一覧
強烈な怪異譚である。 特にそのおぞましいまでの恐怖は、会うごとに変貌を遂げる友人の霊体の表情である。 書き手は最初からその変化を強調させるために、最初に自らの死を伝えに来た霊体の描写の部分からしっかりとその表情や雰囲気を書き留めている。 それ…
一読した直後の正直な感想は、“新興宗教団体の機関誌に掲載された信者の体験記”というところである。 真摯に書かれているがとにかく冗長であり、またまばゆいばかりに輝く“思いやり”の精神が溢れており、心が洗われるがかなりヘビーな気分になってしまうとい…
作品全体をほんわかとした雰囲気が包み込んでいる印象が残った作品である。 恐怖が一瞬走ったのは、最初に現れた女のあやかしの場面だけ。 それもどちらかと言うと軽く流す感じで引っ張らず、メインである次の怪異へとうまく繋いでいく。 女のあやかしの描写…
文章は上手く、読ませるツボをよく心得ているように思うし、臨場感は出ているように感じる。 しかし、あまりにも“読ませる”傾向が強いために、“実話”らしさを損なっている部分が大きいようにも感じるのである。 例えば書き方が完全に“体験者目線”からのもの…