2011-02-11から1日間の記事一覧

『テニアン島の思い出』

いわゆる“戦争怪談”のパターンの王道であり、戦地跡へ赴いて、そこで日本兵の無念を追体験するという話である。 よく似た話を多く聞くが、テニアン島での怪異譚は記憶にないので、その点では希少性があるものと言える(壊滅した日本軍の拠点は太平洋上の島々…

『沼地の家』

一読した第一印象は“現在進行形の怪談”。怪異はまだ始まったばかりで、これからさらに怪異は展開していくのだろうという雰囲気を非常に強く感じ取った。特にそれを意識したのは、最後にある体験者の憶測部分である。本来、怪異に対するこのような解釈を施す…

『素材倉庫』

この作品も、文体によって大きくマイナス評点とせざるを得ないものとなってしまった。「です・ます」調の文体は、文字化されると途端に稚拙なイメージがつきまとい、それだけで大きなハンディを背負うことになると思う。「一人語り」文体(喋っている言葉を…