2011-02-24から1日間の記事一覧

『土下座』

怪談は、どうしても“負の感情”が働くことによって成立する確率が高いわけで、その結果、人間の暗部が嫌でも目につくことも多くなる。この作品もそういうものをこれでもかと読み手に提示してくる。 ここに登場する植松氏と竹村氏は、どちらが絶対的に善であり…

『腕立てふせ』

体験者が怪異に気付く瞬間というのは、怪談を書く上での最大の見せ場であると言っても過言ではないと思う。これの出来次第で、軽微な怪異でも驚くほどの恐怖感を得ることが出来るし、逆に一気に読み手を白けさせてしまう破壊力も有している。とにかく“気付き…

『指の痕』

タイトルもストレートなら、ストーリーの展開もストレート。怪異の内容は、どちらかというと既視感があるレベルなのであるが、あまりにも直球ど真ん中な流れであるために、却って新鮮味を覚えたほどである。良く言えば、ややこしい表現技巧などお構いなしで…