2011-03-28から1日間の記事一覧

『夜の街で……』

“実話怪談”というジャンルにおいて最も犯してはならない決まり事は、何と言っても“事実誤認”に尽きるだろう。実話と名乗るからには嘘や捏造は許されるものではないし、また怪談というジャンルそのものが常に常識外の内容を扱う故に、一つでも誤った情報が提…

『花は置けない』

この作品は怪異を明らかにするのではなく、いわゆる「怪異を通して人を書く」典型的なパターンであるだろう。現れた霊体の出自も明らかとなり、なぜその場所に出現するのかも明瞭であり、その点でもそれなりに希少性のある話である。しかし、その哀れな霊を…

『夜の港で』

怪異としては強烈である。体験者が目撃したあやかしそのものだけでも相当インパクトがあるものだと思うし、翌日の検証で得られた情報も恐怖を覚えさせる内容としては十分であるだろうし、そして何と言っても死者まで出てしまうようなとんでもない結末である…