2011-04-20から1日間の記事一覧

『お坊さん』

偶然の産物かそうでないかの個人的な境目は、「二度あることは三度ある」や「三度目の正直」という諺があるように、三回続けて起これば怪異であると認識することにしている。その点で言えば、残念ながらこの作品のケースは“偶然”と言わねばならないことにな…

『忘れられない』

体験者本人の記憶だけが欠損している状態の怪異を表した作品であるが、この種の話の場合、ポイントになるのはその消えてしまった記憶の内容が本当の怪異であるかが客観的に立証できるかである。子供の頃からつるんでいたグループであれば、自分一人だけが覚…

『黒い獣』

何かしら非常に曖昧な印象だけが残っただけで、結局怪異そのものについても要領を得ないところばかりが目立った。 まず、捕らえどころのなさは、体験者の当時の年齢がはっきりしないところから始まっている。分別のつかない年齢の頃の体験談ということであれ…