【+2】枝の上

父親の戒め、枝の上の小人、自殺したカップル、この3つの話の絡み具合が凄く微妙である。
不条理ではないが、因果関係がありそうかと言えば断定できるほどの証拠もない。
謎が多いとしか言いようがない。
だから“実話怪談”として書くと、多分この作品のような感じになってしまうのだろう。
ある意味、謎のまま放置した形が一番良い処理方法なのかもしれないと思った。
構成の面で不満が1つ。
怪異が起こる前段階で、結局切ってはいけない木は切られずに済んだことが明確に書かれている。
起こった怪異がショッキングであったから目立たないが、木を切る切らないという事柄はこの話の重要なポイントになると思うので、先にばらしてしまうと面白味が半減するのではないだろうか。
読者に先に仕掛けを見せてもビクともしないだけのネタ内容と文章技術があればやってもいいが、普通はやらない方が賢明だと思う。
怪異の内容もそこそこ珍しいので(小人が絡んで死者が出るというのは類例がないように記憶する)、その分加点させていただいた。