【+2】エレベーター

“投げっぱなし怪談”にして正解という内容だろう。
特に「仕事が向いていないのでは」などというお疲れなため息をついている表記があるので、これ以上延ばして書いてしまい、さらに個人的な解釈まで述べてしまったら最後、病院送りにされてしまう可能性があったと思う。
不可解であるものに敢えて解釈を施さなかった点は、評価できるだろう。
読者としてはこの大量のクローン園児がその後どのようなリアクションを取るのか興味あるところであるが、寸止めされての良い意味での焦燥感はある種の快感でもある。
小粒な怪異ながらも上手く余韻を残すことができ、後々まで印象に残る作品になったと思う。
書かないことによって完成度の高い内容を勝ち得た作品であるだろう。