【+3】にゃ〜おん。

文章全体についてはまだまだ自在に書いているという印象は少なく、やたら「た」で終わる文が多くて、テンポ良く読めるレベルではないと思う。
だが、怪異を表現する上では十分耐えられる文であると判断するし、実際、拙さ以上に怪異の方が印象に残った。
怪異についてはまさに視覚的グロ系であり、そこがしっかりと表現されてイメージ出来た。
また、気持ち悪い姿形にもかかわらずそれが“猫なで声”を発するところは、恐怖感を生み出す王道パターンとはいえ、思わずハッとさせられるところである。
ただ問題があるのは、この怪異の遭遇が酔っぱらって寝ていた直後である部分が強調されている点である。
勿論嘘を書くのはご法度であるが、酔っている状態であることを書きすぎると、錯覚であると読者が思い込んでしまう危険が大きい。
また怪異のクライマックスで記憶が途切れてしまった部分も、この書き方では読者の不満が残るであろう。
“気付いたら朝で、怪異に関するものがなかった”のは致し方ない事実であるが、気付いた場所や台の様子を書くことで、もう少し余韻の残る内容になっていただろう。
最後の1行についても唐突な感想であるために、同様のストレスが生じる。
これだけは経験を積まないと何とも言いようのない部分であるので、とにかく書き慣れることが一番ということに留めておきたい。