2007-04-21から1日間の記事一覧

【−2】でも覚えてるんだ

“胎児の記憶”と称される、説明のつかない不思議譚である。 まだ生まれる前に起こった出来事にもかかわらず、それを体験したかのように記憶している現象である。 この作品で語られる記憶であるが、かなりあやしい。 なぜなら、胎児と同時に目撃している母親だ…

【+2】乳母車

畳みかけるような恐怖の連続で、読みやすい書きぶりと相まって、グイグイと引き込まれるようにして読んでいくことができた。 だが、体験者以外にもあやかしである女を目撃した複数の証言があるという最後のくだりで、一気に面白味が薄れてしまった。 この作…

【+2】はらさ!!

内容を整理すると非常に怖いと思うのだが、読んでいるうちはあまりそれを感じなかった。 やはり描写が勝ちすぎた文章というのが、体験者の緊迫感を殺してしまったと言うべきなのだろう。 特にこの作品は、あやかしと体験者との距離が接触しているほどの近さ…

【+3】にゃ〜おん。

文章全体についてはまだまだ自在に書いているという印象は少なく、やたら「た」で終わる文が多くて、テンポ良く読めるレベルではないと思う。 だが、怪異を表現する上では十分耐えられる文であると判断するし、実際、拙さ以上に怪異の方が印象に残った。 怪…