【+1】卒業の記念に

実は、タイトルと、冒頭の“学ラン”という言葉で、いきなり“第二ボタン”というイメージが出来上がってしまった。
先に怪異のネタに直結するものに行き当たってしまったために、最後の部分を読んでも「やはりそうか」で終わってしまった。
さすがにこれは作者の問題ではなく、偶然にも解答が直感で引っかかってしまったということで。
怪異としては不思議な少女の出現が一番なのであるが、体験者自身も心当たりがないということで、却ってインパクトが薄い印象を持ってしまった。
第二ボタンの部分を「焼き切ったように切り取る」ほど凄まじいエネルギーを感じるのに対して、体験者も意識しないような少女がそれをやったというギャップの差は、正直何か痛々しい印象すらある。
特に“第二ボタン”という淡い感傷を抱かせるアイテムがあるために、どうしても“少女=ストーカー”というイメージにも持っていけない。
個人的には「全然彼女の想いが通じてないよ」という感想ばかりが湧き出てしまった。
怪異そのものとその背景にある感情とに差を感じてしまったために、どうしてもストーリーに入り込めなくなってしまった。
非常に個人的な感想に偏ってしまったが、そういうことで好評価までには至らず。
ただしマイナスポイントには決してならないレベルの作品ではあることは保証したい。