【+2】拾った骨

そつのない文章であるし、怪異の希少度もそれなりにある。
しかしなぜか積極的な好評価に持っていけないという感想である。
やはり一番は“罰当たり”ネタにしてはあまり手痛い被害がないということに対する、無意識の非難なのかもしれない。
骨になったとはいえども牛と人間を同じ感覚で扱う体験者に対しては、やはり不謹慎であるという印象を拭えない。
ましてや頭蓋骨であるから、やはり特別なものであるだろう。
それを自分の欲望のためにぞんざいに扱うことに、多くの読者は反感のような気持ちを持つことになるだろう。
またこの体験者の仕打ちに対するしゃれこうべのささやかな抵抗に、ややがっかりという読者もかなりあるかもしれない。
典型的な“罰当たり”ネタなのに、肝心の怪異が目から光線だけでは物足りなさを感じざるを得ないだろう。
そして“目から光線”という怪異についても、「西洋の怪異はひと味違う」という変な印象の方が残ってしまった点も高い評価を出せなかった原因かもしれない。
“あったること”だから仕方がないが、何かしっくりくるところが少ない作品というところで終わってしまった。