2007-05-29から1日間の記事一覧

【+2】拾った骨

そつのない文章であるし、怪異の希少度もそれなりにある。 しかしなぜか積極的な好評価に持っていけないという感想である。 やはり一番は“罰当たり”ネタにしてはあまり手痛い被害がないということに対する、無意識の非難なのかもしれない。 骨になったとはい…

【0】老いても

犬にまつわる不思議な話であるが、ありきたりという印象である。 たまたま犬が年老いていて番犬のように威嚇しないだろうと思っていたらやりました、というレベルの話であって、その条件さえなければよくある話で終わってしまうだろう。 飼っている動物画あ…

【+3】貸し切り

とうとう最後まで怪異自体の正体が語られることもなく終わるという、なかなか巧妙な構成を持つ作品である。 単に怪異が書かれていないのではなく、輪郭だけを丁寧になぞっているので良い意味でのイライラが募り、それが読者の想像力を大いに刺激している。 …

【−2】聲

声という形のないものを文字で表記することは非常に難しい。 加えて内容が聞き取れない声を表記することは、なお困難を要する。 結局のところ、この作品は非常に微少な怪異を題材にしていながら、ある意味最高度のレトリックを要求されていると言える。 その…

【+2】真の映画ファンとは・・・

同じ映画館での怪異であるが、その種明かしを先に言っても今ひとつ面白味に欠けるし、かといって最後まで隠し通せるものでもない(“赤いもの”という表記でおおよそ見当がついてしまう)。 どちらがまだ良いかと言われれば、この作品のように隠し続けた方が良…

そろそろクライマックス

25日で【超−1】の作品公開も終了し、後は講評受け付けを残すのみとなった。 気付くと4ヶ月の長丁場もアッという間であったように思う。 明日ぐらいには僕も講評を完了させるつもりであるが、407編は昨年より少なかったというだけで、真面目に講評する…