No.30

2月の同時期に3作品を応募したのみで途切れてしまっている。
この3作品はいずれもかなり毛色の違う印象を与えてくれる。
情念たっぷりの『見えない』、ノスタルジックな『石油ストーブの灯火』、実録風の『廃病院でのロケ』である。
受ける印象はそれぞれの作品が書かれた目的の違いから生じると考えてよいものである。
だが構造から見ると、作者=体験者の目線から書かれている作品という共通点を持つ。
しかもその目線はかなり強い主観性を持って描かれていると言っていいだろう。
多分作者自身はこれらの作品を読者に提供するものという考えから書き起こしたものではないと思う。
自分が書きたいことがあるから書いたというレベルの作品であるだろう。
しかしこの作者の場合、それは決して悪いことではないし、むしろ“らしさ”が出ていると感じる。
ただこれだけの投稿数では、自己主張する方向へ行くのか自己満足で終えてしまうのか明瞭でないために、これ以上の講評は控えることにしたい。