【+1】憑物音痴

憑依しているかの判定を味覚で決めるという話は初見である。
ただ憑依されてしまうと感覚の一部がおかしくなるという話はあるので、まんざら胡散臭い判定法ではないと思う。
しかし、怪異のメインがこの判定方法にあることは明白なのであるが、体験者の恐怖体験などを詳細に描写してしまったために、一カ所に興味が集中できなくなってしまった感がある(それだけ彼女の恐怖体験が面白いと言えば、それまでなのであるが)。
むしろ判定法を編み出したきっかけであるとか、その時の彼氏のリアクションなどを細かく書いてくれた方が面白かったように思うし(なんだか結構笑いのツボにはまりそうな予感もするが)、読者の多くもそちらの方を期待していたのではないだろうか。
それはそれで異色の作品として価値を持てたかもしれない。
微妙な判断であるが、初見ということで評価はとりあえずプラスとさせていただいた。
ちなみに歓楽街は“悪所”であり、特に彼が行くキャバクラに問題があるというよりも、そのエリアでしこたま飲んでしまうと高確率で“お持ち帰り”出来るのではないかと推測したりもするわけで。