【+1】お化け屋敷

都市伝説などでも“本物が出るお化け屋敷”の噂は絶えないが、ここまで強烈な話は初見である(実際、某遊園地では「出る」らしいが、それでも単体ということだ)。
また説明描写が丁寧であり、しっかりと読める内容になっている。
かなり初期の段階でネタの全てが判ってしまう難はあるものの、それなりに評価できる書きぶりである。
しかし、この幼少時の体験の検証部分に弱さを感じる。
数年後に再訪しているわけだが、外見的には変わらないが、恐怖を覚えた対象はなくなっていたということで締め括っている。
だが内装だけが変化しているケースもあり、この検証は不発であったように思う。
むしろその時に一緒にいた父親から話を聞く方が検証としては確かだっただろう。
あるいは数年後も残っていたアトラクションであるので、同年代の者の中にもお化け屋敷に行った者が複数いる可能性も高い。
しっかりと検証していながら不備があると、読み手の側から見ると何となく締まりが悪く感じてしまう。
やるからには徹底的にやって欲しかったところである。
このあたりはやはり減点の対象とせざるを得なかった。