【−５】誰？

この作品も書き方で全てをぶち壊してしまっている。
オール伝聞体で文章を書くとここまで読みづらくなるのかと、改めて確認させていただいた感がある。
他にも句読点の問題も重なって、とにかく故意に読みづらくしているのではないかと思ったほどである。
少なくとも高評価を受けている応募作がどのような文を書いているのかをしっかりと見ておく必要があると思うし、今後もこういう投稿を続けていきたいのであれば、商業誌として書かれている怪談本をお手本として書く練習をしていかなければならない。
文章に個性があることは認めるが、個性と我流とは全く別物である。
我流の文章をいくら書こうとも、それで成長することは絶対にないと断言する。
書き手本人が「参考にした文章はない」と言っていても、それは意識上の問題であり、お手本となっている文章スタイルは必ずどこかに持っている（言語というものは、音声であれ、文字であれ、人から人へと受け継がれて現存するものだからである）。
決して自分独りだけで生み出すことなどできっこないのである。
ネタについては“学校の怪談”レベルの内容であり、ディテールは良いものがあると思うが、どうしても“ありきたり”のものの域から出るようなものではないという印象である。