2009-03-29から1日間の記事一覧

【−5】誰?

この作品も書き方で全てをぶち壊してしまっている。 オール伝聞体で文章を書くとここまで読みづらくなるのかと、改めて確認させていただいた感がある。 他にも句読点の問題も重なって、とにかく故意に読みづらくしているのではないかと思ったほどである。 少…

【+1】蛇心のルール

いわゆる“因果物”のかなりの大ネタという印象なのであるが、非常に引っ掛かりを覚えた。 内容を精査すると、この因果は父方の姓にまつわるものであって、決して血統ではないということが判る。 具体的に言うと“祖母”が因果に巻き込まれている。 祖母が養子を…

【−4】忘れ物

廃墟スポットで備品を失敬して霊に取り立てをくらうという定番ネタとは真逆とも言える内容で、なかなか珍しい話であるだろう。 親切というか、お節介というか、とりあえず薄気味悪い話であることは言うまでもない。 ところが、文章が最低レベルである。 常々…

【−1】撃退ブレンド

においで霊を撃退しようと考えついて実行した体験者の着想が面白いし、全体の展開も普通の怪談のパターンと少々違うという印象を持った。 言い方は悪いが、実話怪談というよりも、奇想のショートショートを読んでいるような気分であった。 またセンテンスが…

【0】縁日にて

怪異の内容を考えると、果たしてこの書き方がよいのかどうか若干疑問が残る。 構成としてはいわゆる“怪談のフォーマット”、体験者の語りの文と、説明描写の地の文を繰り返しながら展開する書き方である。 それなりのネタであれば、時系列的に起こった出来事…

【+4】帰りたい

非常に凄味のある怪談話である。 怪異のシチュエーションが都市伝説の定番“ダルマ女”に酷似しているのであるが、ディテールの記述が多いために信憑性を失うようなことがなく、却ってその都市伝説の源流ではないかとうがった見方すら出来るほどである。 そし…

【+2】山男の歌

体験者の心理描写が恐怖感を生み出すことを如実に示した好作品である。 怪異自体は“山の怪談”としては特に目立つような内容ではないし、むしろ平凡な話の部類に入るだろう。 ところが、刻々と変化する体験者の心理が手に取るように分かるために、展開ごとに…

【+1】サファリパーク

怪異の内容は非常に珍しいものであり、その不条理さから言えば相当のレベルの高い怪異であるだろう。 しかしその怪異の見せ方に少々問題があるという印象もある。 書き手としては“アフリカ屋”という名前の店から野生の動物が突如として現れる怪現象に焦点を…