2007-02-28から1日間の記事一覧

【−5】白い顔

前回の大会でも明言していたのだが、いやしくも文章によって新しいものを創出しようと試みる者が、他のクリエーターの生み出したものを使って表現しようとすることはアンフェアである。 特に“実話怪談”を書くのだから、他の人の創作物を想起させるような記述…

【+5】ジェイムシーズ

怪異のネタとして第一級クラスのものであると思う。 一人の人間の分身体が複数存在するのが確認される、しかもそれが数珠繋ぎのように目の前を通り過ぎるなどという話は初見であり、この希少性は信じがたいほどの高さである。 また文章の組み立てが非常に巧…

【0】通訳の必要性

読み終えて、“怪談話の楽屋落ちネタ”という言葉をふと思いついた。 海外旅行中のホテルで怪異が発生した時、必ずとばっちりを受けるのが添乗員という図式を思い出して、何だか妙に納得してしまった。 だが、この作品はその舞台裏をコミカルに書いただけで、…

【+1】百物語その後

怪異の肝が“夢”として語られる怪談話は、どうしても印象が良くない。 体験者の無意識が働くとか、現実の出来事と無理にこじつけようとか、そういう解釈で片付けることが可能だからである。 この作品の場合、まだこじつけめいた印象は薄いのだが、細かな部分…