2007-03-30から1日間の記事一覧

【+2】関羽

神様が視線を注ぐという話は、既に指摘がある通り、昨年の『不動心』と同じパターンである。 しかし内容の点で、どうしても『不動心』よりも落ちるという印象である。 一言でいえば、神様として関羽の様子があまりにも神様然としているからである。 “神様系”…

【+1】車椅子

祖父と祖母の間に相当の確執があることを匂わせながら、最後までそれが何であったのか分からずじまいで終わってしまった。 この作品の場合、この部分が最も重要なカギを握っているのは言うまでもなく、この情念がなければ一連の祖父の行動と車椅子の怪異とが…

【−2】フネさん

この作品も既成のイメージを援用して描写を展開するパターンであるが、結局はそれが怪異の肝の足を引っ張る結果となってしまった。 今回援用される既成イメージはあやかしの容姿ではなく、一般的な人物像であるので、怪異や恐怖感の創出を他者に依存する最悪…

【−3】お気に入り

特定の服の飾り物が失せたと思っていたら戻ってくるという内容は、最後のボタンのエピソードで辛うじて怪異とみなせるところにたどり着いたように感じる。 房飾りの件は色々と書かれているが、体験者本人も感想を述べている通り、偶然の産物と捉えても文句は…