2009-03-31から1日間の記事一覧

【+2】通り道

獣の霊道という話だけでも十分珍しいエピソードであると思うが、それに加えて赤い馬が通りすぎて火事が発生するという希少な内容までが報告されている。 内容から考えると、霊道は寺にまで延び繋がっており、赤い馬の出現も寺の火事の符丁であると想像して妥…

【−3】黒い老紳士

一読して思ったことは“体験者の見え方が時系列的に変化している”ということである。 一言で“見える”といっても個人差があるのと同様に、一個人においても刻々と変化しているケースがある。 幼少時にはあまりはっきりと能力が開発されずにいたのが、あること…

【−1】待ち人

結論から言うと、感情の飛躍がありすぎて嘘くさく感じてしまった。 怪談というものは、単に恐怖を求めるだけのものではなく、怪異を通して人の心の動きを捉える作品でもあるわけである。 それ故に、この作品のように体験者の感情を揺さぶり、さらには読者の…

【+2】波間の大群

複数の人間が同時にあやかしを目撃したという、なかなか希少な怪異である。 やはりお盆だから現れたと解釈した方が妥当であるだろうか。 クラゲに交じって顔が浮かぶというビジュアルは非常に薄気味悪い印象が強く、数多くの顔が見えているという描写だけで…

【0】気配り

文章・構成共に一定水準を超えるだけの技量はある。 言うならば、一分の隙もない流れを作っているわけである。 しかしながら、ネタそのものが陳腐すぎて、ある意味フォーマット通り、悪い意味でどこかから話を引っ張り出してきたのではないかと思ってしまう…