2010-02-09から1日間の記事一覧

【+1】こわれ屋

すごくいい味の出ている作品なのであるが、怪異についての表記に問題があるために損をしていると言える。 話の内容を読む限りでは、かなり昔の話(昭和前半以前と推測するが)であり、体験者自身もかなり高齢の方ではないかと思ったりする。 また漢方の世界…

【+3】妄執

井戸を潰すととんでもない目に遭うという話はよくあるが、ここまでしつこいケースはあまり記憶にない。 しかも、おそらく言いだしっぺだけを生殺しのように生き延びさせているという印象が強烈であり、また身体ごと乗っ取られているという確信を持たせるもの…

【+4】あかいはこ

死亡事故現場で遺体を目撃してしまったために、霊に執拗に追い掛けられるという話は多いが、現場に落ちていたのと同じ箱がつきまとうという話は初見である。 しかもなぜ箱がつきまとうかの理由となるような記述が、体験者の事故目撃の場面でしっかりと書かれ…

【−4】かわいそうな話

書き方と構成で完全に“実話”の域から外れてしまったと感じてしまった。 まず、怪異そのものの記述が実に“都市伝説”的なものになっている。 体験者の存在が非常に希薄であり(誰が体験したのかが明確ではない、いわゆる匿名性の高い表記になっている)、さら…

【+1】縁

「霊とは、非常にまどろっこしい意思表示をするものである」と言ったのは新倉イワオ氏だったような記憶があるが、この作品でもどういう理由からか解らないが、まさに明後日の方向から唐突に発生した怪異であり、不条理な心霊現象の典型例であるといって間違…