2010-04-26から1日間の記事一覧

【−6】家族

最後の一文の存在で、書き手がこの作品をどのように位置付け、読み手に対してどのような意図を提示しようとしているのかという点において、問題外という判断を下した。 はっきり言ってしまえば、この作品に対する書き手の思い入れというものは全くなく、読み…

【−2】生兵法

もし仮に創作も含めた怪談も可であれば、この作品に対する評価は非常に高いものになっていただろう。 狐憑きと思しき患者を前にして覚えたての呪法を施したら、案の定その患者が猛烈に反応したという内容であるから、まさに思う壺に近い結果を導き出した展開…

【−2】冷たい手

起こっている怪異そのものは不思議なものであり、非常に感覚的な体験であるが、言を費やして描写説明をしているので信憑性の高い内容になっていると思う。 また怪異に遭遇した体験者の心理もしっかりと書かれており、その時の緊迫した状況というものが見て取…

【−3】今もあるんです

起こっている怪異はいくつかあるのだが、結局客観的な物証となりうるものほど適当にあしらわれた感じで書かれており、書き手自身がしっかりとした怪に対するスタンスを持っていないのではないかと感じた。 特に最後の最後で“数珠が弾けた”といかにも大した怪…