2011-02-27から1日間の記事一覧

『無縁墓』

一人称独白体の最も悪い部分が出てしまったというのが、結論である。 怪異の体験としては、無縁墓を探検して突発的な体調不良に襲われ、お地蔵さんに助けを求めて無事帰還できたという内容である。問題なのは、これらの体験が全て主観の産物であると指摘され…

『四区』

過不足なく怪異に関する情報が詰められており、またそれに関する伏線もしっかりしているので、よく出来た作品であるという印象である。 怪異の舞台となる場所も早い段階で提示され、さらにそこをバイクで走る危険性までしっかりと指摘、しかも不謹慎な言い方…

『黒い影』

一人称独白体についてはあまり推奨しないのであるが、この作品に登場する怪異の本質を鑑みると、どうしてもこの文章スタイルを取るのがベストであると言うしかない。自分だけにしか見えない存在、それを周囲に告げたために壮絶なイジメに遭う展開は、主観の…

『開けてください』

起こっている怪異そのものは非常に不思議、生霊のようにも見えるし、幽体離脱と解釈しても良い、さらには物の怪が化かしたとも、いわゆる神隠しの寸止め現象だったとも考えることができる。また春奈さんが和馬君を追いかけている状況が手に取るように分かる…