2011-03-22から1日間の記事一覧

『コショウ缶』

「減らないのは修正液だけじゃなかったんだ…」というのが全ての感想である。怪異についてはこれ以上でもこれ以下でもない評価であり、30年という年月の長さだけがやや評価を上げているところである。しかし30年以上使っていて変と感じないのかというか、…

『米軍基地の霊』

初読の感想は“雨宮淳司氏の劣化バージョン”。周辺事情をギッチリと書き記すことで、当時の雰囲気を出そうという意図があるように感じるのであるが、残念ながら似て非なるものになっている。なぜなら書かれている情報は、結局体験者である書き手の見聞記であ…

『前方の二人』

構成・展開の面で、一日の長があると言うべき作品である。 怪異については“山の怪談”では定番に近いであろう、分身体(ドッペルゲンガー)と思しき内容である。この種の話では、体験者自身が真正面からあやかしと出くわして、自分とそっくりの顔であることを…

『おじいちゃん……』

結論から言えば“思わせぶり”ばかりが先行してしまっており、怪異の内容そのものを非常に矮小化させている。またその“思わせぶり”が意図的であるとしか見えず、イライラを起こしそうになるレベルである。 まず、書き手本人が“記憶がない”という点であるが、単…