2011-03-27から1日間の記事一覧

『まめ』

怪異譚としてはよくある部類の話だと言える。葬儀の時に故人の思い出話をしているさなかに起こる怪異としては定番中の定番だと言ってもおかしくない話であり、それ故に信憑性という点ではそれなりに納得出来るものとなっている。しかしながら、この作品の場…

『ミスマッチ』

音にまつわる怪異であるが、視覚に訴えてくる怪異と比べると、やはり書き方が難しいところである。視覚による怪異は具体的な描写が可能性であるし、またそれをきちんと書ききることで怪異から相乗効果的に恐怖も引っ張り出せる。しかし、音による怪異を言葉…

『会話』

前半部分の会話部分は、タイトルにしているだけに、それなりに書き手としても力を入れているのが分かるし、薄皮を剥がすように怪異の核心へ進めようとする展開も多少定番くさいがそこそこ成功していると言えるだろう。しかし、その部分の緻密さと比べると、…

『左腕の傷』

怪異としては、申し合わせる機会が少ないと思われる複数の人が見た、共通の怪しい人影らしきもの、また普通ではあり得ない事故など。これだけのパーツが揃っていれば十分に怪異譚として話を持っていくことが出来るだろう内容であると言える。また体験者自身…