2007-05-27から1日間の記事一覧

【+2】森の遊歩道

多分10年以上前であれば「リアリティがあって、実話っぽい怪談」という好評価で受け入れられたであろう作品である。 初期の実話怪談は大仰なスプラッターホラーのアンチテーゼという存在でもあったから、このような体験者のリアルな恐怖感と些細な怪異とい…

【+3】事務所にて

怪異自体は連発で起こっているものの、頑張っても“指2本”だけの出現である。 このぐらい小粒の怪異であると、大仰な書き方でやっても具合が悪いし、淡々とした書き方ではそれこそ埋没の危険性もある。 この作品を評価する点は、いつもであれば酷評の対象で…

【+2】生きた魔除け

この作品はこの作品で明確な主題を持って書かれているので一定の評価は出来るが、視点を変えればもっと凄い内容になったのではと思わせる部分がいくつもある。 猫が家の魔除け代わりになるという話は非常に面白いし、そのきっかけとなった話も興味深いもので…

【−1】金縛り

何度もしつこく書いて申し訳ないが、金縛りネタは余程の特異性を持つか、あるいは付加価値が高いか、決定的な物証があるか、いずれかの条件に該当しなければ、むしろジャンキー・マニアの類ほど厳しい評しか出せないということである。 金縛りの最中に黒い変…

【−1】ぎっしり

完全に怪異の肝にする場面が判っていながら、見事にそこで空振りをしてしまった感が強い。 多くの方の指摘がある通り、この怪異の肝は押入の中に“ぎっしり”とある顔なのであるが、“ぎっしり”と言われても一体どのような状態でつまっているのか、そのあたりの…

【+2】手首

掌編であり、内容としても取るに足らない、よくあるシチュエーションである。 だが、痴漢撃退よろしく霊体の手をひっ掴んだところ、そしてその掴んだ手に温もりがあったというこの2つのポイントの希少性は見逃せない。 特に生身の人間のような霊体の手とい…

【+1】イチ

この作品は書いてある情報を頼りにして読みとる内容よりも、その裏にひっそりと横たわる厭な雰囲気に圧倒されそうになった。 怪異自体も御先祖を粗末にするといけないという因襲的なものにまつわる内容なのであるが、それよりもその怪異を発生させた原因が誰…