2008-02-29から1日間の記事一覧

【−2】焦げ臭い

怪異としては、体験者が中古のゲームソフトを開封した際に“焦げ臭い”と感じたことである。 だが、この怪異を“焦げ臭い”の一言で済ましてしまったために、完全に主観の罠にはまってしまったとしか言いようがない。 油が燃えた時の匂いか、プラスチックが溶け…

【0】訪問

正統派怪談と言っていい作品であるが、一番大事な部分での誘導が弱かった。 この作品の怪異の肝はインターフォン越しに聞こえてきた声であることは間違いないのであるが、それに対する伏線の作り込みが足りず、また体験者の反応が鈍いために、恐怖感にまで持…

【0】夢の話

冒頭と末尾の思わせぶりな発言は鼻につくものの、“語りかけ”調の文体に対する好き嫌いはどちらでもないというところであるが、やはり怪異の本質を見極めた上で作者が採用する必要性はあると思う。 “語りかけ”調スタイルの特質は、読者に対して同意を求めるこ…

【−2】深夜の高速道路

内容から言って明らかに怪異であることは確認できるのであるが、読んでいる側からするとあっけなく終わってしまったという感が強い。 とにかく怪異である女性の存在に関する情報が極端に少ないために、体験者の証言に客観的確証と言うべきものを見いだせない…

【+4】血の池地獄

数多くの“こっくりさん”ネタの怪異を読んできたが、ここまで特異なものは見たことがない。 この希少性だけでも十分評価できる作品であり、さらにそれを描写する筆力に勢いがあるので、読んでいて非常にテンポの良さを感じ、そこそこ長いストーリーであったが…