2009-03-20から1日間の記事一覧

【0】獣愛

作品全体を俯瞰すると、やはり犯罪めいたものを感じてしまうし、超常的な怪異はほとんどないのではないかという印象もある。 体験者が寝たきりの状態になっているのも、薬物か何かで軟禁状態にされているという感じの方が強く、もしかすると最初の段階(拒食…

【−4】黒猫ニャーゴ

飼っていたペットがその死後に飼い主の元を訪れるという話も、“動物ネタ”の中では定番中の定番である。 この作品では、その定番をベタベタなぐらいに書き綴っている。 そして最も悪いのは、怪異である現象そっちのけでとにかく体験者の思いばかりを切々と書…

【−2】自転車

小ネタの“投げっぱなし怪談”であるが、怪異のレベルから考えると、妥当な選択であると言えるだろう。 しかしながら、情報の開示する順番が明らかに間違っている。 タイトルが“自転車”でいきなり“マンションの5階”と出てくれば、ほとんどオチまで一直線で見…

【+1】禍漁り

怪異の本質の部分で外しているという意見である。 勿論、中学生の霊体が襲ってくるのは非常に恐ろしい場面であるし、読者へのインパクトについても十分見応えのあるところといって間違いないと思う。 だからその部分の記述を分厚くすることには異論はない。 …

【+2】手招く者

人間一人が消失するというとんでもなく恐ろしい怪異譚なのであるが、何かフィルターみたいなものが掛かっているような印象を持った。 消失の場面はディテールまで克明に書けており、かなり昔の記憶でありながら非常にリアルな描写に徹しているように感じるし…