2009-04-28から1日間の記事一覧

【+3】晶働

人間の邪念が生み出してしまったものの恐怖、そしてそれが一人歩きしてさらなる恐怖を生み出す。 ネタとしては抜群の内容であり、とにかくこの水晶そのものの邪悪な執拗さがこれでもかと言わんばかりに書かれており、それが生み出された経緯の凄まじさも相ま…

【−1】真夜中の光

作品全編から「信じてくれよ」という体験者の叫びみたいなものが噴き出しており、却って雰囲気を壊している。 信じてもらいたい、寝ぼけていたわけではないという主張を書いてでもわかって欲しいという気持ちは理解できるが、ここまで書いてしまうと逆に胡散…

【−1】すれ違ったのは

単純な目撃談であり、“投げっぱなし”的なインパクトが文章で作り出せなかったために、ほとんど何も印象に残るものがなかった。 言うならば、信憑性云々以前に読者を驚かせる工夫も何もないということである。 “狐のような顔をした人が歩いていました”と書く…

【+1】黒い仏像

非常に興味深い怪異現象であり、また希少な内容であると感じる。 博物館や美術館に展示されている仏像というのは信仰の対象ではなく美術鑑賞の対象という認識で見ているが、それでもなお他の美術品と比べると何か違和感というものを覚える。 そういう印象が…

【−3】生首

しっかりとした怪異が起こっているにもかかわらず、完全にポイントをはずしてしまった書き方になってしまっている。 体験者の言葉を疑っている話者の態度が、作品の枠として冒頭と末尾で大々的に書かれてしまっているために、怪異そのものの信憑性を作品内で…

【−2】マハーデーヴァの加護

インドの神々が絡むエピソードであり、ある意味スケールは大きいと感じるのだが、怪異のパターンとしては“神様にお祈りしたら病気が治った”だけの話であり、その神様がたまたまインドの神だっただけのことであるという認識である。 それ故に、凄いなと思いつ…

【0】べしゃっ

典型的なポルターガイスト現象であるが、その目的が人間が捨てた物を投げ返したりするような明らかに悪戯レベルのものであり、恐怖といえば恐怖なのであるが、何となく人を舐めていると思われる部分が比較的強いものであると考える。 書き手もそれを意識した…