2010-03-09から1日間の記事一覧

【0】寝言

幼い子供が通常は見えないであろうものに反応する様子を見て、大人が恐怖するというパターンの典型例である。 この作品の一番きついところは、子供一人だけではなく二人が同時に声を発しているところに尽きる。 書き手自身もこの部分が怪異の肝であることを…

【−1】俯いている?

残念ながら、タイトルを見ただけで“首なしの霊体”だろうという予測を付けてしまった。 果たしてその通りの展開だったために、この段階でマイナス評価を決めてしまった次第である。 書き手としては煙幕を張って核心を衝くという感覚でタイトルにしたのかもし…

【−2】歩き続ける人

“ありきたり”としか言いようのない、全く引っ掛かるところのない定番の怪談話である。 書き手はその問題点を解消するべく、例えば具体的な地名やコースを挿入させることでリアリティーを確保しようと試みたり(もう少し現場が特定できそうな微妙なポイント名…

【−3】編み目ごしに

些細な怪異をこれでもかと引き延ばした結果、完全に展開のバランスを失った状態になってしまっている。 怪異は、要するに、ネット越しに見たらあやかしが見えるというものであり、鏡とかレンズ越しだけ見えるあやかしと同じパターンの話である。 それ故にそ…

【−2】聖域

読んでいて、かなりの情報不足感を覚えた。 沖縄、しかも離島における“神霊”を扱う場合、どうしても書き手は必要によってはある程度の予備知識を持って再構成に臨まないと、完全な舌足らずな表記で終わってしまう危険性があると言えるだろう。 偏見ではない…